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X(旧Twitter)の避難所

20230402

 島倉千代子「人生いろいろ」(1987年)を聴くことがあった。さすがに世代ではなく、曲の背景は知らない。コミカルで覚えやすい演歌と言ったら良いのか。ヒットの背景にはものまねのしやすさもあったようだ。
 実際にちゃんと聴いてみたところ「これテクノ歌謡じゃない?」と驚いてしまった。規則的な打ち込み、それにまとわりつくような怪しげな(不安にさせられるような)フレーズの反復。

「そういう意味では、誰もが間違っても〈テクノ歌謡〉とは呼ばないであろうが、浜口庫之介による島倉千代子“人生いろいろ”の編曲などには、逆にYMO自身、そして彼らが売れたことで変えてしまったものを見てしまう。」
安田謙一,2003,「歌謡界に落とされたYMOの影」『bounce』 240号
https://tower.jp/article/feature/2003/03/13/100033696/100033697/100033702

という言及もあり、同曲は実質的に日本の1980年代テクノ歌謡のひとつに位置づけられるのだと思う。
 個人的にはこれは和製のユーリズミックスやヴィサージなのではないかという思いつきもある。雑駁に言えば、ニューロマンティックや第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン(の一部)のエッセンスも大きなトレンドを背景として流れ込んでいるのではないか(当然ながらその当否について判断する能力は自分にない)。